*掲載された画像は閲覧目的でモデルさんと所属事務所、撮影会主催者に許可をいただいています。二次使用はお断りいたします。

SILKYPIX(R) Developer Studio Ver2のデジタルシフト活用例(広角で顔が歪んだ…)


広角レンズで寄って撮るのは楽しいのですが、ちょっとしたアングルの関係で以下のように頭でっかちに顔が歪んでしまうことがあります。


作成日:2005年 9月 25日 日曜日 4:15:35 PM
更新日:2005年 9月 25日 日曜日 4:17:02 PM

画像タイトル:KONICA MINOLTA DIGITAL CAMERA
製造:KONICA MINOLTA
形式:ALPHA-7 DIGITAL
ソフトウェア:ALPHA-7 DIGITAL v1.00
日付と時間:2005:09:25 16:15:35
露出時間:1/400 秒
Fナンバー:F 4.5
マニュアル
ISO感度:200
Exif:2.21
元の日付と時間:2005:09:25 16:15:35
デジタル化時の日付と時間:2005:09:25 16:15:35
明るさ:165.42
露出補正:1.00
開放F値:F 3.5
測光方式:中央重点測光
光源:デイライト
フラッシュ未使用,強制非発光モード
焦点距離:16.0mm
FlashPix:1.00
マニュアル露出
マニュアルホワイトバランス
デジタルズーム: 0.0
焦点距離[35mm換算]:24mm
撮影シーンタイプ:標準
コントラスト:標準
彩度:標準
シャープネス:弱


デジタルシフトの機能は、ようするに「パースペクティブ」のコントロールに他なりません。
左図の上の状態で撮影した画像に対しシフトパラメータを調整することで、左図の下の状態で示すように実際にレンズを下方向にシフト(左図の下の状態では便 宜上イ メージャーを上方向にシフト)させ、写る範囲が変化する分だけカメラ全体を傾けて撮影した状態と等価に変換するものです。
もちろん、撮影済みのデータから変換するわけですから、元々の画像サイズをオーバーする部分や、ケラレる部分は出てきます。

今回の例のように頭でっかちになる原因は
の2点が主なものです。

よって、デジタルシフトのパラメータを左図の下の状態のようにレンズを「下」方向に調整することで
という効果が現れます。
より画角の広いレンズで撮影してトリミングしたとも考えられるので、逆に被写体の下方はより強いパースペクティブ(膝元がより近接したのと等価)となりま す。





左がデジタルシフトによる変換後のものです。
元の画像からの変化がわかりやすいように、トリミング領域の拡張をして無効領域も含めて画像化しました。
顔がほぼ画面の端に来ているので、デジタルシフトのパラメータは下方に「+67」という大きな値を与えています。

なお、デジタルシフト以外にシェーディングやディストーション、倍率色収差などの「レンズ補正」も行っています。
WBの追い込みと明暗のトーンが出来るだけ収まるように露出調整と調子を決めています。
これは後でレイヤーの複製後に明るい画像と暗い画像に調整してコンポジットするための素材だからです。

コンポジット用の画像として、最初からSILKYPIX(R) Developer Studio Ver2で適切なコントラストによる明るい画像と暗い画像を用意する方法もあります。

下段の左端は自動トリミングによるものです。

次は16:9のハイビジョンサイズにトリミングしたもので、それぞれ明るい画像と暗い画像です。





最後に、コンポジットした画像を掲載しておきます。

いかがでしょうか?
こういう手法を用いることでシフトレンズが無くても…
カメラマンと被写体と背景から決まるポジションとアングルの制約に対し、ある程度自由な完成型を(あくまで予想しながらだが…)得られる手段といえないで しょうか。

また、コンポジットについては「その場の光線を読んで切り取る」というポジ的な撮影を目指すなら無縁のものですが、今回のように撮影済みのデータからね らった 結果を得るというネガ的な手法にはRAWで記録して暗部の階調を引き出すだけで1.5段から2段程度の増感は充分実用の範囲だと考えられます。

使用機材
α-7 Digital
SIGMA 15-30mm F3.5-4.5 EX DG
SILKYPIX(R) Developer Studio Ver2
Adobe Photoshop CS
NeatImage

ロケーション
兵庫県舞子公園




(c)2005.11.30 kuma_san
2007.09.01 追加および修正
い ろいろ練習

(2006.06.26追加)テスト版にダイナミックレンジコントローラが搭載されましたので、その使用例を追加します。


これは、アンダーに撮影したRAWから露出調整で上げ、その結果、再生上の白点より上のレベルに残っているデータをハイエストに圧縮して表現するもので す。
非常に使いやすいと思います。
左の画像には現像パラメータも埋め込まれているので、パラメータが閲覧できる環境にある人は参考にすることが出来ます。
SILKYPIX(R) Developer Studio AJISAI(テスト版)でのトーン調整」というページも作成しましたので、よろしかったらどうぞ。

(2006.06.28修正)
縮小現像のままだと解像感が失われますが、それを補うためにアンシャープマスクをかけたつもりでした。
が、これがかかっていなかったので画像(左の画像です)を差し替えました。
なお、アンシャープマスクのパラメータは
・量:160%
・半径:0.3(pixel)
・しきい値:5
です。




















(2007.09.01追加)テスト公開中のSILKYPIX Marine Photography Pro3.0 テスト版[http://www.marine-photo.jp]に
覆い焼き[Smart Dodging(スマート・ドッジング)]が搭載されましたので、その使用例を追加します。

この機能の紹介については市川ソフトラボラトリーのプレス リリースをご覧下さい。
輝度差の大きな画像をコントラストを保って生成する技法はHDRデータから「トーンマッピング」する(Photomatix Pro)や、
KONICA MINOLTA TECHNOLOGY REPORT VOL.4(2007)にある「広ダイナミックレンジ画像の高コントラスト化画像処理」
などが知られていました。
今回の覆い焼き[Smart Dodging(スマート・ドッジング)]機能は人の知覚にも違和感が少なく、非常に使いやすいと思います。
これまでダイナミックコントローラによるハイライトの圧縮では高輝度部分のコントラストが失われるのが弱点だったわけですが、それが解消されます。
RAW14bit記録のカメラもだんだんと一般化される中でこのような画像化技術は今後歓迎されていくものと思われます。
現時点での難点は高輝度部分との境目においてブレンド比の変わるマスク部分(便宜上こう呼びます)が数ピクセル分の矩形状に目立つことがある(下の画像参 照)くらいでしょうか。


左の画像には現像パラメータも埋め込まれているので、パラメータが閲覧できる環境にある人は参考にすることが出来ます。

なお、縮小後のアンシャープマスクのパラメータは
・量:120%
・半径:0.4(pixel)
・しきい値:1
です。